『あそびぎ』が出来るまで

『あそびぎ』が出来るまで

ASEEDONCLÖUDが贈る子供服ソーイング本【こどものあそびぎ】
ブランドが得意とする『職業』をテーマに、
子供たちが大好きな『ごっこ遊び』の世界に入り込めるデザインや、
成長を一緒に楽しめる機能を備えた魅力あふれる
『あそびぎ』を作れる1冊となっています。
著者の玉井健太郎さん・玉井瑶子さんへのインタビュー第二弾。
今回は【こどものあそびぎ】の『服づくり』について、
お話をお伺いしました。

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Q. 普段の、ASEEDONCLÖUDの服作りと比べて異なる点はありましたか?

 

ー玉井 健太郎さん(以下、玉井さん)

コンセプトやテーマの決め方が今までとは違いましたね。

いつもは、気になったキーワードをピックアップして、フックとなるワードをいくつか線で繋ぐことでコンセプトのベースを決めています。

そこから架空の職業を考え、物語を生み出していく作業がはじまるのですが、今回は、親目線のアイデアや、子供がどういうデザインなら楽しく着てくれるか等、よりリアリティを追求しながらアシードンらしい職業観をはめ込んでいったので、『ごっこ遊び』がより楽しくなる服が出来たんじゃないかな?と思います。

 

 

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Q. 服のデザインとテキスタイルは、どちらを先につくりはじめましたか?

 

ー玉井 瑶子さん(以下、瑶子さん)

普段もそうですが…服のデザインを考えつつ、形に合う生地のイメージも同時に膨らませています。今回も、洋服とテキスタイルの両方とも並行して出来上がりましたね。

 

―玉井さん

そうですね。並行して進めた方が、デザイン・生地選び共に相乗効果があると思っています。

今回に関しては、『ごっこ遊び』というコンセプトがあったので、そこに対してデザインをしながら、実際に本物の仕事着に使われている生地に近い素材や、モチーフを考えたことで、よりリアリティのあるものが完成しました。

例えばこの「Forest explore print」という生地。

ワークウェアにもよく使われる、リップストップという生地をベースに選びました。

ほつれや破れに強い組織で、とても丈夫で長持ち。テキスタイルやデザインのコンセプトにもぴったり合っていて、子ども服にもってこいの生地です。 

 

 

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Q. 服のデザインでこだわった点や想いを教えてください

 

ー瑶子さん

ASEEDONCLÖUDのクラシカルさも残しつつ、子供服なので動きやすさや機能性を取り入れたところです。

例えば、<Sailor ー 船乗り>の「Marine Shirt」や「Marine Dress」の襟の裏側にはポケットが隠れているのですが…

 

 

実は、暑い時には保冷剤、冬にはカイロを入れたりできるポケットなんです。

親としてのちょっとした思いやりですね。

季節を問わずに楽しんでもらえたらいいなと思います。

 

 

他にもたくさんあって、「Marine Shirt」の裾のタック。

ほどいて着丈を伸ばせるようにしてあります。

 

 

子どもの成長ってすごいスピード感。気がついたらサイズアウト…なんて事もよくありますよね。少しでも長く着てもらえるようにと機能性にもこだわりました。

語り出したらキリがないのですが、最後にもう1つ。

<Explorer ー探検家>の「Explorer Vest」の背中にある布テープのデザイン。

実はこのテープは、生地を抑える役目をしているんです。

動きやすいように、背中にタックをとっているのですが、そのままでは生地がバタバタして邪魔

になってしまうので、布テープで上から押さえて生地が遊ばないようにしているんです。

 

 

この辺りのデザインは、ASEEDONCLÖUDにも共通するディテイルを取り入れています。

 

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Q. ちなみに、<Florist ー花屋>「Florist Dress」の胸にあるボタンホール?のような穴。これはどうやって使うんでしょうか?

 

ー瑶子さん

これは、お花を挿せるようにホールを開けてみました。

外遊びで摘んできたお花が、ブローチみたいになるんです。

 

 

「Carpenter Overall」の胸ポケットがおウチの形になっていたり、「Play Hat」のツバを上に上げるとセーラーさんの帽子の形に変身したり、機能性だけではなく遊び心をデザインにも加えています。

 

 

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玉井さん、瑶子さん、詳しくお話しいただきありがとうございました。

愛と工夫がいっぱいで、聞いているだけでワクワクしますね。

このお洋服を着て遊べる子ども達が心の底から羨ましくなりました!

 

次回は、【こどものあそびぎ】の世界観を表現するには欠かせない『オリジナルテキスタイル』の制作秘話についてお伺いしたいと思います。

どうぞお楽しみに!

 

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<著者プロフィール >

玉井健太郎(たまい・けんたろう)
セントラルマーチンズ美術学校メンズウェア学科卒業。
ロンドンにてマーガレット・ハウエル UK のアシスタントデザイナーを経て帰国。 2010 年 S/S より
ASEEDONCLÖUD をスタート。


玉井瑶子(たまい・ようこ)
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)卒業後、空間演出デザイン学科ファッショ ンデザインコース卒業。
大学を卒業後、ASEEDONCLÖUD でのインターンシップ を経て、2017 年より入社。商品企画に携わる。

 

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ASEEDONCLÖUD (アシードンクラウド)
19 世紀後期~20 世紀初頭の写真に見られる古い作業着の美しさを生かしながら、その 美しさの裏にあるアイデンティティーに、ウイットとユーモアを織り交ぜたデザインが特徴の日本のアパレルブランド。
ブランド名は、デザイナー玉井健太郎氏が子供のときに初めて創作した絵本の名前 (くもにのったたね) に由来。天然素材をベースに、毎シーズン様々な職業のライフスタイルからインスピレーションを得た デザインを展開中。

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